アナフラニールは1960年代にスイスにて開発された抗うつ剤です。有効成分はクロミプラミン塩酸塩と言う第一世代の三環系抗うつ薬ですが、このグループの中では特異的に排尿障害にも効果があります。鎮静効果がそれほど強くない為、高齢者にも使用しやすいです。
うつ病は脳内の神経伝達物質セロトリンとノルアドレナリンが正常値よりも少なくなっていることから、情緒の安定や意欲に関わる脳の機能が低下することから発生すると考えられています。本剤はうつ病に関係するセロトニンとノルアドレナリンの量を増加させる働きがあります。この二つの神経伝達物質は神経細胞から放出されて脳内で使用されないで余ると元の神経細胞に再取り込みされますが、本剤の効果により再取り込みをブロックして脳内で循環する量を減らさないようにします。その為落ち込みや不安などが少しずつ解消されます。ただし神経細胞を回復させるまでには最低1週間以上連用しないと効果が実感できません。また効果が現れる前に副作用が早く出ることがありますが、自己判断で断薬することは控えて下さい。また本剤の特色としてノルアドレナリンの再取り込み阻害効果により抗利尿ホルモンの分泌を促進する効果、また尿意覚醒を促す効果があります。従って尿意を感じやすくなり尿漏れや夜尿症の改善に用いられることもあります。
用法
本剤のご使用にあたりましては、医師や薬剤師の管理・指導の下で適切な使用をお願い致します。
副作用
眠気、ふらつき、倦怠感、かすみ目、口腔・鼻腔の渇き、食欲不振、頭痛など
また遺尿症で内服時の副作用として早朝覚醒・口の渇きが見られます。
注意事項
・【次の方は本剤を内服できません】
過去に本剤及び三環系抗うつ薬で過敏症を経験されたことのある方、緑内障患者、回復初期の心筋梗塞患者
・持病やアレルギーのある方、また他のお薬をご使用中の方は事前に医師にお知らせください。
・副作用にて眠気やふらつきが起きる場合がありますので、車の運転・危険な作業には十分にご注意ください。
・本剤をご使用後体調に違和感を感じた場合には使用を中断し、速やかに医師の診断を受けて下さい。
◆アナフラニールは国内では医師の処方を必要とする【要指示薬】です。本剤の説明文は英文の能書を翻訳したものであり、使用方法等が日本の医療従事者の見解と異なる場合がありますのでご留意ください。
◆輸入医薬品はご自身の責任の上で、他者に譲渡せずご自身にてご使用ください。
◆詳細は掛かり付けの医師または薬剤師にご相談ください。
◆弊社ではどのような責任も受けかねますのでご了承ください。