エムラクリームは、1984年にアストラ社(現在はアストラゼネカ社)において開発された外用局所麻酔剤です。
美容クリニックでレーザー脱毛などにも使用されています。
有効成分はリドカインとプロピトカイン(別名プリロカイン)であり、乳化剤と基剤を加えてクリーム状に処方設計されています。
局所麻酔は注射における投与でも可能ですが、麻酔効果は十分であるものの、注射針を刺す際の痛みや薬液が組織に入り込む際の痛みが問題となっていましたが、旧来の局所外用麻酔剤では皮膚への浸透性が低く十分な麻酔効果を得ることが出来ませんでした。
皮膚から局所麻酔薬を神経の終末が存在する部分にまで届けるには高濃度かつ水分含有量の高い疎水性麻酔薬が必要となりますが、室温では固体となるリドカインやプロピトカインが等モルで混合すると融点が下がることを突き止め、室温でも液体化させることで皮膚への透過性が飛躍的に高まり、局所麻酔の効果が十分に得られるようになりました。また持続時間が長いことも大きな長所の一つです。
通常は皮膚の小手術、または母斑・単純血管腫・毛細血管拡張症などをレーザー照射療法に手治療する際の疼痛緩和を目的に使用されています。
使用方法は非常に容易ですが、麻酔剤であること、また承認時までの臨床試験においては3割以上の場合に何らかの副作用が認められた経緯もあることから使用には十分ご注意下さい。
用法
本剤のご使用にあたりましては、医師や薬剤師の管理・指導の下で適切な使用をお願い致します。
副作用
錯感覚、感覚鈍麻、頭痛、悪心、嘔吐、潮紅、蒼白、皮膚炎、血中ALTの増加、倦怠感などが認められる場合があります。
重大な副作用として意識障害、喘鳴、大量発汗、全身潮紅、呼吸困難、血圧低下、異常脈拍などが見られた場合にはただちに使用を中止し適切な処置を行ってください。
注意事項
・本剤や本剤の成分により過敏症の既往歴を持つ方はご使用できません。
・心刺激伝導障害のある方、腎肝に重篤な障害のある方は慎重に投与する必要があります。
・本剤の使用により体調に異変が見られた場合には、ただちに医師による適切な処置を受けて下さい。
◆エムラクリームは、日本国内においては医師の処方を必要とする【要指示薬】です。
◆本剤の説明文は英文記載の能書を翻訳したものである為、使用方法等が日本における医療従事者の見解と異なる場合がありますのでご留意ください。
◆輸入医薬品はご自身の責任の上で、第三者に譲渡せずご自身にてご使用ください。
◆詳細は掛かり付けの医師または薬剤師にご相談ください。
◆弊社ではどのような責任も受けかねますのでご了承ください。